21.不法無線局が引き起こす被害について

5月 17, 20209月 11, 2020

テレビを見ていると、突然ノイズが入ったことはありませんか。それは不法無線局の違法電波による影響かもしれません。不法アマチュア無線局は様々な被害を引き起こし、暮らしを混乱させる原因になっています。

不法・違法電波の脅威

アマチュア無線機器は安価で通販でも手軽に入手できることから、機器を利用した不法無線局が増えています。
無線従事者の資格を取らずに不法開設する不法局や、合法のアマチュア無線機器を改造し、定められた周波数以外で運用する違法局まで様々です。
この不法・違法電波によって正常なアマチュア無線の通信ができなくなるほか、テレビやラジオの映像・音声が乱れたり、電話の通話に雑音が入ったりします。
最近ではパソコンに障害が発生するケースも増えており、データが消える被害も発生しています。ブレーカーが落ちる、機器の電源が勝手に入るといった被害も後を絶ちません。

火災などの思わぬ事故を起こす

不法無線局がもたらす被害はこれだけではありません。人の命に関わる被害をもたらします。東京の調布市では、不法アマチュア無線の強力な電波によって自動点火式ストーブが誤動作を起こし、勝手に着火、火災が発生するという事件がありました。
この強力な電波は、付近を通る車両に設置された不法無線機から発射された可能性が高いと見られています。不法無線局を設置した車両が走行中に電波を発射すると、周辺の家庭や店舗、工場などの電子機器が誤動作を引き起こすおそれがあり、非常に危険です。

人命に関わる公共無線にも影響

アマチュアバンドに隣接する周波数は警察・鉄道・消防・救急などの重要無線局が通信しており、決められた周波数以外で運用すると、これらの重要無線通信に妨害を与えるおそれがあります。
実際に消防車・救急車の現場到着が遅れる、船舶の安全に支障をきたす、災害時の緊急通信が困難になるといった、人命に関わる深刻な被害が出ています。
航空関係の無線局に被害が及んだ場合、管制塔の指示が受信できない、着陸できないといったトラブルが発生し、最悪の場合は衝突・墜落する可能性もあるのです。
不法無線局の運用は法律違反です。取り返しのつかない事態を招くことのないよう、ルールを守って運用しましょう。また無線機器を購入する際は、技適マークがついていることをご確認ください。